風が強いですね。
今日は、昔も少し話しましたが私の田舎である紀州熊野地方、新宮市
というところの話です。
父親の家系がこの新宮市にほど近い山の上にあるんですね。
だから、正月などは必ずアーケード商店街で買い物をしたり、
家族の食事などをした記憶があります。
現在は他の地方都市と同じように、相当寂れてしまったけれど、
古い町だけあって今でも独特の風情が残っています。
佐藤春夫とか中上健次とか大石誠之助とか西村伊作とか、なんとも
言えない人たちが出てます。
ちなみに私の曾々爺さんは佐藤春夫の家とはかなり親しかったようです。
新宿DUGオーナーの中平穂積さんも新宮市に隣接する本宮町出身で、
新宮高校を出てますね。
中上健次は別にして、基本的にモダニズム系というか、実は土着的な
ものばかりのイメージに収まらない気風があります。
一見すると本当の田舎町なんですが、よくよく見ると都市文化が根付いて
いるという。不思議なとこです。
神武以来、京都・奈良とダイレクトに繋がっていたこと、これは有名な
熊野古道や、今でも新宮~京都の直通の特急が走っていることを見ても
分かることだと思います。
その後、時代を経ると、江戸との交易やアメリカへの船出の出発地として、
さまざまな都文化、異国文化との交流が活発化するんですな。
だから、本当の僻地でありながらいつの時代も中央と繋がってきた、という。
なおかつ、中上健次が書いているような超土俗的かつ神話的な世界観も
根強く残っている、とにかくハイブリッドな町だということです。
80年代にはなかり面白い洋服屋さんや古着屋さんがあって、
その後、東京にやってきていろいろ見聞きすると、表参道裏などのショップ
に置いてあるアイテムと大した違いもなく驚いたことがあります。
その頃は、東京から陸路で7~8時間もかかる日本を代表するような単なる
僻地だと思ってたもんで。。
(づづく)